18列46番で会いましょう

私に好きなだけキキちゃんの話をさせてくれ

四の五の言わずにMASK☆Jを応援しろ

突然だが、ついにMY HEROを観た。結論から言おう。
いますぐMY HEROを観ろ。
MY HEROを観た者と、まだ観ていない者とでは大違いである。ただし、もうMY HEROを観る前の自分には戻れないから、その覚悟が決まったらすぐに観てほしい。チェンジ・ジャスティス。この意味がわかるだけで、もう今後の人生は薔薇色なのだ。
ヒーロー、それは勇気の証。ヒーロー、それは正義の輝き。ヒーロー、それは芹香斗亜のこと──



主人公はノア・テイラー。名前からしてすでにかっこよさが迸っている。ノアて!!!!
王道をいく俺様ツンデレちょろ甘イケメン、それがノア・テイラー。オラオラかと思いきや言葉のチョイスがちょっとダサ可愛くて、なんか憎めないチョロさがあって、それからはちゃめちゃに立ち居振る舞いがかっこいい。そう、ノア・テイラーである。あといつものことながら足がべらぼうに長い。
こんなもん、キャラづけの時点で萌えの大盤振る舞いなのではなかろうか。ヨシマサも「盛りすぎたな」って反省してほしい。いや、しなくていい。ありがとうございます。
そして彼を演じるのがなにを隠そう、ま~~~た芹香斗亜なのである。
いま日比谷で数々のオンナをエジプトの女Aに変え、銀橋で抱いて抱かれてしている芹香斗亜である。
そのひとがノア・テイラーを演じる。
この時点で大事件すぎる。きっと当時は全国紙のトップを独占し、BBCとかCNNでも報じられたと思う。私はくわしいんだ。

まずヨシマサなので、テーマソングが否応なしにテンションをあげてくれる。
しょっぱなの世界じゅうすべてのものを小馬鹿にしたみたいなキキちゃんの顔とか声とか(とくに「うそです!」「おれ、子供だ~いきらい☆」の言い方と声の感じは読売演劇大賞とっていいと思う)ももちろんめっちゃツボなんだけど、そこでじわじわ上がってきた期待値がついにプロローグでゲージを突き破った。
ヨシマサ~~~!!!THEヨシマサ~~~!!!!
いまこのとき、私はこの世界に星の数ほどいるノア・テイラー担のひとりなのだ。ここにときめきを探しに来た。そう思わせる説得力。
なんかもうペンラとかうちわがほしい。「夢の扉叩いて」「ジャスティスして」ってうちわ振りたい(ジャスティスして?)
歌詞とかまじでちょいちょい意味がわからないし、♪白い波乗り~の振り付けも謎なんだけどなぜかすごい刺さる。ノア・テイラー力(ぢから)がすべてをねじ伏せている。
なかでも一番エモいのは「たっ⤴たっ⤴く⤵︎お⤴と⤵︎だね」の声の伸びとハリ、かな……
下手しひっくり返りそうになる音階を、きれいにスパーン!と歌い上げる芹香斗亜、最高にクール。クール&ジャスティス。そしてまたキキちゃんの声質の虜になってしまうのであった。

さて、私はこの世界ではノア・テイラーの強火オンナなので、スキャンダルにはへこたれない。だってスキャンダルはスターの証だし、媚薬のごとし芳しさなのだ。
干されたくらいで担降りなどしない。むしろこんなことで担降りするような同担を皮肉るインスタハッシュタグ投稿とかをしてしまいそうなくらいである。
──だって遮二無二がんばるノア・テイラーがめっちゃかわいいんだ!!!
クロエ(※どちゃかわお茶目マネージャー)が持ってきたポンコツな仕事もダルッそ~~~な顔しながら(この顔がまた!よい!小鼻がひくついてる舐めきった顔!サイコー!)こなしていくうちに、いろいろなものを取り戻すノア・テイラー
王道である。でもそれがいっそ清々しい。あとクロエとのやりとりがテンポよくて子気味いいのも楽しい。

とはいえ前半まではノア・テイラーがほどほどに世の中を舐めきったスレ男なわけだけど、それをクズ一歩手前に引き止めてるのは芹香斗亜の持ち味かな~~~と思うわけです。
チョロいキャラづけはもちろんヨシマサの妙技なんだけど、それをよりぐっと感情移入しやすくしてるのはキキちゃんの演技かなって……思うんだ……(エモポエマー)
だってノア・テイラー、寂しそうなんだもん。
いろんな過去のささくれがちくちくと自分を蝕んでるのがわかってて、でもそれを認めたくない子供っぽさとか不器用っぷりが、どーしようもなく愛しい。
乱暴だけど下品じゃない。イキッてるけどどこかやさしい。そんなのもう愛さずにはいられないじゃん!!!
あとはちょっとしたときに見せる憂い顔、歌声の抑揚や緩急とかがたまらなくてな……「ここから始めよう」とか最高に繊細なんじゃ……真髄ofそれなんじゃ……
語尾もいい。強火担が選んだノア・テイラーのやば語尾ベスト3は「おれはスターだからいいの」「なにほしかったの」「そんな見つめんな」かな……ツッコミのたびにちょいちょい挟まれる呆れたようなため息も最高じゃ……すきなんじゃ……

あとキキちゃんのお役って当たり前のようにいつも色っぽいな~と思ってたんだけども、このノア・テイラーはそれが段違いでは???
ほっそい手首の動きがよくわかるからかな??お化粧が最高にキマッてるからかな??イケチャラい髪型がハマってるからかな??
いやもうわかんない。私にわかることはそう、ノア・テイラーが激推しであることだけ。理屈じゃないんだ。感じるんだ、かっこよさを……


こんなふうに再三言ってるとおり、ノア・テイラーはかっこいい。でも前述のとおり、ちょっとスレてしまってる。
そのプライドとか過去のささくれとか、そういう歪な絵の具がぽろぽろ剥がれていって、本当の自分である真っ白なキャンバスに向き合っていくのがこの作品のミソだと思う。
でもまぁヨシマサだから、たまに展開がめちゃくちゃに急だったりする。いやめっちゃ好きだけど。だから下手をすると、テンポとかギャグに飲まれて観客の感情が置いてけぼりになってしまう可能性だってある、かもしれない──だがしかし、そこで芹香斗亜の丁寧なお芝居の出番である。
もしかしてヨシマサのテンポとキキちゃんのお芝居、すごい相性がいいのでは……??お互いを補い合ってるのでは……??

たとえば病院でメイベル(※濡れた草の中の青い小さな花のような義母)と出会うところの距離感。
あれなんかもう最高に「アア……わかる……わかるわ……」ってなった。床をリモコンで叩き抜くかと思った。
もう大人だから、メイベルに向かって子供のときみたいにギャンギャン言ったりはしない。でもやっぱりどこか刺々しいものが残ってて、なにもなかったことにはできない。
そ、それな~~~!!!そこな~~~!!!
剣呑な態度でもないしむしろ声とか明るいのに、全然距離が縮まらないの……そのつっけんどんじゃない態度がむしろ歪さを感じさせるの……
緻密に繊細に、寄り道せずに積み上がっていく感情の演技がたまらなく上手すぎる。だからノアがノアであることに無理がないんだよ。ノアっていう青年が、ちゃんとそこにいるんだよ……


……とかエモポエム炸裂してたら最後の最後、えげつねぇ爆弾が投げ込まれてきた。
展開がはちゃめちゃとか言ってごめんなヨシマサ。ヨシマサ、お前すげぇや。スゴツヨだよ。
たしかに特撮モノとかで、爆発するアジトを背景にヒロインや子供をお姫様抱っこして現れるのはよくある。わかる。加えて、宝塚では娘役をリフトすることもざらにある。わかるわかる。
だからノアがマイラ(※凛々かわプリンセス)をお姫様抱っこして出てきたとき、私は軽い気持ちで口笛を吹いた。トレンディドラマのモブよろしく「ヒュ~~~」って囃してた。だって、そのあとすぐ下ろすと思ったからだ。
なのに、である。
まさか……まさか、お姫様抱っこしたまま長々と喋り続けるとは夢にも思わないじゃん!!!!??!
軽々とお姫様抱っこしたまま、キキちゃんがめちゃくちゃ喋る。めちゃくちゃ演技する。めちゃくちゃ腹式呼吸。めちゃくちゃシュッとしてる。
いや、嘘でしょ……「そんな見つめんな」っていや、おま、ええ……お姫様抱っこしながら照れ……ええ……????お姫様抱っこしてるのにそこ照れる……????かわ……
最高かよ……いや最高だよ、ヨシマサ……お姫様抱っこをメインじゃなくて、演技の一環にしちゃうのやべぇよ……
最後の最後、ほんとに萌えすぎてリモコンは電池蓋が爆ぜた。床はまだ補修中です。


──さて、MY HEROを観る覚悟は出来ただろうか?
なにも怖がる必要はない。ただ部屋を明るくして、テレビから離れて、リモコンを手の届かないところに置くだけである。そうすれば視力と床は守られる。
「ええ~でも円盤でしか観られないんでしょ?」と観ない言い訳を考えている、そこの貴女。
いますぐスカステのサイトを開きなさい。開きましたか?そこにラインナップってあるでしょう、いや違う、来月の!来月のラインナップを見なさい!!
そう、そうです。気づきましたか?
スカステでMY HERO、やりますよ。
その時間にちょちょいっとリモコンをつけるだけで、ほぼ無料でノア・テイラーが観られちゃう。なんというグッドタイミング!
でもテレビをつけたらすぐにリモコンは放り投げてください。床が危ないので。
え?円盤は買わなくていいのかって??
いやいや、まずはスカステで観たらいいじゃないですか、ねえ。強制なんてしませんよ。どうせ1幕冒頭でね、「なんでこれ私持ってないの!!??買わなきゃ!!!!」ってなるんですからね──