18列46番で会いましょう

私に好きなだけキキちゃんの話をさせてくれ

この先エモさの玉突き事故で93kmの渋滞です

※前半はただのネタなので、レポ的要素は途中からです。適当にスクロールしてください。


キキ茶が10日と聞いたとき、私は11日に大きな〆切を抱えていた。それなりに重要度の高い、たくさんの御社が絡むものだった。
だから私は、ああ行けないな、と悲嘆に暮れたのだ。
せっかく芹香斗亜にすっころんでからはじめてのお茶会なのに、行けないなんてつらい。でも〆切をぶっちぎってこれから先、芹香斗亜のために自由に使えるお金がなくなるのもつらい。
ここは我慢だ、と思った。
これは天啓なのだ。転がり落ちるスピードにすこし歯止めをかけ、それでいてこれからもずっと応援できるようにするための天啓。いわば天の神様の言うとおり。ここは静かにしておこう。
そうして日々を過ごしているうち、あるときふと上司が言った。
「そういえば獰猛さん、あの〆切伸びたんだよ」
どの〆切だろう。
自慢じゃないけれど、私は数多の〆切をぶっちぎりながら生きているので、どれが伸びようが知ったこっちゃない。けれどなぜかそのとき私には胸騒ぎがした。
上司は続けた。「11日の、デカめのやつだよ」と。


……いやいやいやいやはよ言えや~~~い!!!!ヒュウ~~~!!!!!
そのあと私はすぐにチケットを手配し、お茶会に滑り込みの申し込みをかました。その日は定時でスキップしながら帰った。ホッホ~~~ウ!!!!
お茶会に行けなかったのも天啓ならば、〆切が伸びてお茶会に行けるようになったのもまた天啓なのである。っしゃコラ~~~!!!!
たぶんきっと毎日毎日お茶会の申込書を眺めながらため息ついてゴロゴロしてる私を見て、神様が「しゃあねぇな」って施してくれたのだ。そうに違いない。アンニュイに過ごした甲斐があった。イェ~~~イ!!!!!

かくして私は台風の気配がくすぶるなか、ついに某ホテルへとたどり着いた。
この一週間狂ったようにエステに行ったりネイルに行ったり髪を切ったりしたけど、ぜんぶ緊張からくる汗と雨のせいでグチャグチャだった。幸先が悪すぎる。
でもいいんだ。私はちょっとキキちゃんを覗きに来ただけ。質量をもって存在してるかどうかを、遠巻きに眺めに来ただけだから。私が人としてまともな格好をしてるかどうかはこの際どうでもいい。
そうして山ほどのキキちゃんでまみれた物販を総ナメにしてから、私はようやく席についたわけだけれど――

……いや近くない???
とにかく近い。なにが近いって、ドアとお立ち台が、である。
こんなんバーンッてドアが開いて登場したキキちゃんの視界に入るし、お立ち台で質問答えたりなんかしたらほぼゼロ距離じゃん???無理じゃん???私もう汗と雨でグチャグチャですけど???
買ったばかりの千社札をおもむろに握りしめてドキドキをやり過ごしていたら、そこでまたアナウンスが入った。
「今日は握手がありますので、――」
……いや握手あんの????
たくさん人がいるシアターだし、公演終盤だしないと思って油断してた。
がばりと顔を上げ、あわてて自分の手を眺めてみても、そこにはじっとりと手汗をかいたアラサーの手のひらしかない。これを、キキちゃんに、差し出すというのか???
鬼かよ。鬼の所業だよ。いや嬉しいよ。だれも嫌がってないよ。でもわかってくれよ。きびしいジレンマだよ。
気持ちの持っていき方がわからず、無駄にハイテンションに「やば寄りの無理」なんて呟いてみたけど、そのとき私の顔は般若だった。

いや今からもう1回エステ行かせて。髪の毛切らせて。なんなら天気予報を覆してから今日をやり直させて。
もう心音がすごい。脈がはちきれかけている。おもむろに準備をはじめるホテルのスタッフさんたちを尻目に、私はフリスクをガバ飲みしていた。なんかこう、刺激がないと気を失いそうだったのだ。
そうしてついに、がばりとドアが開いた。めちゃくちゃに近い、私の目と鼻の先にあるドアが。


――ビッカビカの強烈なライトを背負いながら、芹香斗亜が仁王立ちしていた。
目が眩んだ。かろうじてわかったのは、白いパンツを履いているということだけだった。
そしてどこかで聞き覚えのある曲が流れ出す。
ぱ……ほぁ、あ、ぱ……ッぱぱ……ぱ、PARADISOや~~!!!!!!
会場じゅう悲鳴をあげていた。私も叫んだ。
黒いシャツに白パンツという最高にシュッとした芹香斗亜が、PARADISOを歌いながら練り歩く。釣る。色気でかみつく。各地で悲鳴をあげながら人が落ちていく。もはや色気の絨毯爆撃だった。
壇上に上がるころには、会場はほぼ焼け野原だったと思う。けれどかろうじて生き残った人間たちすら逃すまいと、芹香斗亜はやりやがったのである。
PARADISOの最後、帽子クイッを。帽子もないのに、一度会場じゅうを見下ろしてから、完璧な手つきで顔を隠してスッと俯いたのだ。もうだめだ。一人残らずぶち生かされた。凶悪犯だ。
こんなん人間のやることじゃねぇ……ひでぇよ……

息も絶え絶えになりながら午後ティーを煽り(ここで乾杯がなかったら本当にやばかった)、私は芹香斗亜のやばみを噛み締める。大変なところに来てしまった。これはやばい。
だが、本当にやばいのはこれからだった。

芹香斗亜をスイッチオフして、入れ替わりに出てきたキキちゃんがもうめちゃのくちゃにエモいのだ。
まったりめのゆるい関西弁、そういえばめっちゃ面白いことあってん~~~って言わんばかりの思い出し笑い。言葉選びも語尾もトーンもやわらかいのに話は愉快だし、なにより歩くたびになんかすごいいい香りがする。
透明度15786990%のまっしろな肌もちっっっさい顔も、ラムちゃんが残る髪型もぜんぶ目の前に存在していた。目がつぶれそうである。でも視力はめっちゃ上がりそう(?)
いやもう気色悪いこと言ってるのはわかってる。自分が一番わかってる。でも声を大にして言いたい。
キキちゃんめっちゃきれい!!!!!!すき!!!!!ありがとう!!!!!!


以下はぎりぎり私の脳みそが覚えてるかぎりのキキちゃんのお話を落としていけたらいいな、と思う。
たぶんもっと詳細な話はTLに流れてるだろうから、個人的にはちゃのめちゃにエモかったやつだけ。キキちゃんの魅力がちゃんと伝わっていればいいんだけど……頭が悪いので語彙力がないところはご容赦ください……


・舞台稽古でイルバーニさんとかとすれ違って「ウワ漫画の人や!」「髪の毛がなんか……こう……めっちゃある!」ってなるキキちゃん。いやあなたも完璧なラムちゃんですよ。

・漫画原作はビジュアルとかめっちゃ大変だけど、「うちには愛月がいるのできびしく管理してくれてる」ってなんか自慢げなキキちゃん。93期かわいいかよ。

・マントさばきは花娘のスカートさばきを参考にしているキキちゃん。
ここで芽吹さんと白姫さんの真似するキキちゃんめちゃくちゃかわいかった……
「ここをね、後ろからね、持つの⤴︎ 」「裾を意識するの⤴」そっか~~~ラムちゃんのマントはスカートか~~~

・エジプト軍せり上がりのとき、上手板付きのキキちゃんに向かって、下手のホルエムヘブ将軍(朝央くん)が一生懸命身振り手振りで作戦を伝えようとしてくれる。
でも「一回もわかったことない!!!」「だから勝たれへんねや~~~」ってエジプト軍めちゃくちゃ呑気では???かわいいな???

・ でもエジプト軍は「あの人数でめっちゃ頑張ってると思う」キキちゃん。私も思う~!!!狗奴兵より数少ないのにめっちゃ頑張ってると思う。「鉄なら勝てた」わかる~!!!鉄ずるい。

・銀橋の殴り合い、「カイルが剣をおさめるじゃないですか!剣持ってんのに!」「ラムセスも短剣あんのに!」「あそこめっちゃぞくぞくする~!」ってぐっときてるキキちゃんにぐっときた。男の友情とかいいよね……

・銀橋から落ちそうになることもあるけど「真風さんを信頼してるし」「真風さんやから大丈夫やと思う」
「だって私がもし半身落ちても、真風さん引っ張りあげてくれそうじゃない??『ふぬ~~~ッ!』って腕だけで」……キキちゃんは真風さんをなんだと思ってるんだ????

・初シトラスは「ロマンチックレビューをなめてた」キキちゃん。たしかにロマンチックとはいえ結構な運動量だと思う。

・PARADISOは岡田先生の50周年記念でもある。「フォトブックで夢叶った~と思ってたのに」ここの夢叶った~の関西弁がめちゃくちゃふわふわしててかわいかった(えびす顔)
「嬉しくて行ったり来たりしたくなる」「えっもう終わるんや~まだやりたい~」って言い方もめちゃくちゃ略

ノスタルジアは「山猫」がある意味原作なので、お稽古場でみんなで見たらしい。「まぁ……参考になったかって言われると……」キキちゃんそういうとこめっちゃ正直者~~~
でも「最近のショーではああいう気持ちを表す場面があんまりないから好き」っていうキキちゃんがエモくて好き。
たしかに最近のショーはオラオラしてて繊細な場面が少ないもんなぁ。でもキキちゃんはオラオラもできて繊細な場面もできてすごいなぁ(贔屓は贔屓したおす主義)

・ハナからまどかちゃんがめちゃくちゃ嫌そうな顔してるから、ソラカズキに「監禁とかしてる」って言われるサイコパスキキちゃん。
いやわかるわ……愛と束縛がごちゃまぜになってるタイプのセバスチャン……むしろ愛しすぎていつの間にかごちゃまぜになってしまったんだなぁ……つら……

・プライベートの質問が八割がたキャン様(キャンディちゃん)の話になるキキちゃんかわいい。キャン様の話してるときの顔がほわっほわにとろけててかわ……ウワ……かわいい……って戦いた。芹香斗亜からキキちゃんの振り幅がやべぇ。

・自我が芽生えたキャン様、「テレビにりゅうちぇるが映るとめっちゃ吠える」。その事実よりも私はキキちゃんがテレビでりゅうちぇる見てることになぜかすごいぐっときたよ。なんでやねん。
「『吠えたらアカン~』って言ったら『フンッ……ウゥ……グルル……フンッ……』って我慢してる」って言ってるときの~~~キキちゃんのキャン様の真似が~~~やばオブかわいかった。あと似てる。小型犬の唸り声めっちゃ似てる。

・それから急遽来日したラムセス様がお越しになられて人様のお悩み相談をバッサリ解決していくコーナー。めっちゃ笑った。
「ニホンアメスゴ~イ」「アメメッチャフッテル」ラムセス様すごい日本語が堪能でいらっしゃる。「ニホントオイヨ~」そうだねエジプトとニホン遠いね。

・抜歯がこわいという相談に「え、わたし抜歯好き~」(会場ざわつく)「断捨離アンだから親知らずとかぜんぶ抜いた~」(会場さらにざわつく)「……いや必要なやつは抜いてないよ!!!???」(会場安堵)の流れが好きすぎた。
断捨離アンで抜歯好きとか言うからやばめな想像してしまった……ヨカッタ……

・来月いやな部署に異動するんですが……とか後輩の指導員になって……とかのなかなかガチめなお悩みに対するキキちゃんの答えが性格出ててすごい好きだ~~~
「そうそう嫌なひとなんていないんですよ!」「こっちから手を広げてたら大丈夫!」組替えにも触れて「いまわたしもすごい楽しく幸せにやってるし!」って笑ってたのが最高すぎた。

・あとラムセス様で俺妻ソング歌われて私はもうまたしぬかと思った。ラムセス様~~~!!今度こそわたくしをミイラにしてくださいませね~~~!!!(ダミ声)
まさかの俺妻ソングも披露でエジプトの女A大量発生してた。そろそろ千秋楽あたり勝てそうな気さえする。それくらいの熱気だった。

・握手なんてのもありましたね。ええ、もちろん記憶にございませんよ。透明度が高すぎて私みたいな穢れた人間の目には眩しすぎたんだ……手元しか見てない……手はやわらかかった気がする……(遺言)


……さて、伝わっただろうか。
いやもう伝われ~~~!!!頼むから伝わってくれ!!!芹香斗亜からキキちゃんまでの振り幅に慄け!!!おいでよキキ茶の沼!!!!

キキちゃんはかっこいいし賢いし、面白くてやさしい。ほんとにいまがたのしいんだなって思えるし、そんなキキちゃんを見てたらこっちまでたのしくなるのだ。
私は贔屓のことは贔屓したおす主義なので信じてもらえないかもしれないけど、キキ茶に行ったらやさしい幸せな気持ちになる。断言できる。
あとお茶会の雰囲気もすごくいい。皆さんがキキちゃんのこと大好きで、キキちゃんも皆さんのことを大事にしてるふうで、すっごくあたたかかった。
いやどのお茶会もそうなんだろうけど!!なんか皆さんが反応するところがぜんぶ同じで、「いま楽しくやってる」とかいうキキちゃんの言葉になんかちょっとホッとした空気が流れるところとか!!そういうのが!!いいなと思ったの!!!

さて、そんな幸せな気持ちを抱きながら、私は今日は徹夜します。
なぜって?いやだって、冒頭の仕事の〆切があるから。え?伸びただろって?ええ、伸びましたよ。12日に。